工房ではとあるオールドイタリーの修理にかかりきりでした。
この楽器、全体的にとても丁寧で綺麗な修理がされており、技術の高い職人の仕事であることが一目で分かります。
ただバスバーだけは標準よりも5mmほど高く、明らかに楽器に対して大き過ぎる印象でした。
バスバー自体は非常に丁寧に仕上がっているので、おそらくその他の修理と同一人物による仕事だと思われます。
いつもであれば迷わず削りますが、これだけ技術の高い職人の仕事である以上何か深い狙いがあるのではないかと考えてしまいます。
自分のやり方、考え方と異なる修理に出会したとき、そしてその修理がとても綺麗に仕上がっているとき、そこに手を入れるべきかどうかは本当に頭を悩ませます。
こんな時にはいつも、昔師事していた先生の「綺麗な修理には説得力がある」という言葉を思い出します。