ヴァイオリンを弾く方で移弦する際にE線の開放弦が裏返って困るという方は多いと思います。
弦の種類を替えたり弾き方を工夫したりと色々対策はあるようですが、調整の面からお話しさせていただくと駒が原因で裏返りが発生してしまうこともあります。
E線が裏返る楽器を観察すると、駒の上部(写真の鉛筆で記した辺り)が薄過ぎる場合が多いです。
おそらくこの部分が薄いと弦の振動に駒が負けてしまう(駒が暴れるように振動してしまう)ため、結果的に音が裏返ってしまうのだと考えられます。
これはE線以外にも言えて、指板寄りではきれいに音が出るが駒寄りで弾こうとすると音が割れてしまうというのも同様の原因である可能性があります。
多くの場合こうした駒が立っている楽器は音が軽かったりカサカサしていたりと、音が裏返りそうな兆候が出ているものです。
もちろん裏返りの原因は駒の厚みだけではなく、弦が乗る溝の深さや弓毛の状態など点検すべきポイントは他にもいくつかあります。
色々試行錯誤しているけれどもなかなか解決しないという方はぜひ一度ご相談ください。